野球肘

 

野球肘は投球動作を過度に繰り返す事によって発症する肘関節周辺の障害のことを総称したものを言い、障害を起こす場所によって内側型、外側型、後方型に分類されます。
特に子どもの骨には「骨端線(こったんせん:子どもの骨の成長に関係するところ)」という未成熟な柔らかい成長軟骨が存在するので、そこに繰り返しストレスがかかると軟骨を損傷してしまう事もあるので注意が必要です。

内側型:肘を安定させている内側の靭帯にストレスがかかってしまい痛みが出てきます。子どもの場合は靭帯の損傷の他にも靭帯が付着している骨や骨端線に損傷を起こしやすいのも特徴です。

外側型:投球動作によって肘の外側に繰り返し加わる微小な外力が軟骨部分を損傷させてしまい剥がれてしまうことがあります。これを離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)といい成長期に多い障害です。この剥がれた骨軟骨が周辺の組織を傷つけながら動きまわり関節の狭い所に入り込んでしまうと肘関節の曲げ伸ばしができなくなってしまいます。

後方型:投球動作の中で肘関節が伸展強制された時に(肘が伸びた時)肘関節の骨と骨が衝突し、肘の後ろ側の骨折や骨棘が(こつきょく:繰り返しかかる衝撃で骨や軟骨が隆起したもの)形成され痛みがでてきます。

 

当院では重度の損傷が疑われる場合、当院と医療提携のある整形外科をご紹介し、そこでMRIなどの各種画像検査を行ってもらい医師による診断を受け治療方針を決めていきます。

その後はアイシングや超音波治療などの物理療法や鍼灸治療などで治療を施し、経過を観察しながらチューブトレーニングなどのリハビリを導入し競技に復帰していただきます。

野球肘は重度のものになると手術が必要になることがあります。
肘に痛みを感じたら投球動作を中止し、早期に検査や治療を開始しましょう。

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